京版画
Kyoto Woodblock Prints
京版画は、飛鳥時代に百済(朝鮮)から仏教が伝えられた6世紀半ばに、一緒に伝来した経文印刷用の文字木版に端を発し、現代まで受け継がれてきた京都の木版画です。
木版画には宗教・実用・美術等の様々な種類があり、多くの場所に使用されてきました。
江戸時代には、日本独自の素材と手法を駆使した浮世絵版画へと発展し、広く民衆に愛されました。
伝統木版画の制作は、絵師・彫師・摺師の共同作業によって成り立っています。一つの道を一人が極め、三つの道が結ばれることによって素晴らしい作品が出来上がります。
木版印刷は、飛鳥時代に百済(朝鮮)から仏教が伝えられた6世紀半ば、一緒に伝来した経文印刷用の文字木版に端を発する。その時添えられていた仏像の簡単な輪郭摺り用の版木がヒントになって、後生欧米人を仰天させ、「世界芸術の殿堂」入りを果たした江戸浮世絵木版画へと発展していった。江戸時代に日本独自の素材と手法を駆使して、広く民衆に愛され、流布した浮世絵木版画は、別名江戸版画とも呼ばれているが、これは版画が江戸に起源するという意味ではない。優れた画家をはじめとする芸術家の殆どは、京都が活躍の場であり、彼らが生み出した芸術作品は多すぎて数えきれないほどである。無論、出版も活発で、本阿弥光悦の「嵯峨本」は特に高名である。京都で生み出された版本の多くは全国に普及し、とりわけ江戸の人々に大きな影響を与えた。家康によって江戸に幕府が移され、ここを生活の拠点とする人々が爆発的に増えたと言っても、文化芸術面での師は京都であり、京都の模倣の域を出なかった。
伝統木版画の制作は、絵師、彫師、摺師の協同作業によって成る。それゆえ、この三者のうち誰か一人でも凡庸であれば、優れた版画は出来上がらないのである。創作版画のように自画、自刻、自摺のケースもあるが、摺りも彫りも長い修行を経たものでないとやはり無理である。
現在第一線で活躍する彫師、摺師の平均年齢は凡そ60歳ぐらいであろうか。彫師摺師が健在なうちに、若い弟子を何らかの方法で養成することが大きな課題である。
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