京象嵌

金属の生地に色の異なった金属をはめ込み、それぞれの色彩や隆起などで模様を表現するのが象嵌である。
象嵌は世界のあちこちで古くから行われ、主として武器や宗教的なものに用いられていた。わが国には奈良時代に大陸から伝わり、正倉院にも刀身に金で象嵌したものが遺され、同じく奈良の薬師寺本尊の掌や仏足にも輪宝文などが象嵌されている。鎌倉時代には、刀の鍔などに象嵌が施されるようになる。
江戸時代の初めには、西陣に住む埋忠と正阿弥の二家の仕事ぶりが目立ち、両家の弟子たちが各地の大名に使えるようになり、それにつれて京都の技術は全国に広まっていくようになった。
このように武士階級や貴族など、一部の階層を中心として行われてきた象嵌は、やがて江戸時代末期までには、火鉢やキセルなど一般にも広く用いられるようになるが、明治の廃刀令で一時途絶えかけた。しかし、その発展を海外に求めた四方安之助や並河靖之らの努力が実を結び、欧米で日本の象嵌技術が高く評価され、以後輸出品として脚光を浴びるようになった。

現在、京都で製作される象嵌製品には、ペンダント、ネクタイピンなどの装身具、灰皿などの喫煙具、額などを中心とする室内装飾品がある。また、総生産高の3割程度が輸出され、その相手国もアメリカ、ヨーロッパをはじめとする世界に及んでいる。これをみても、京都の象嵌技術の優秀性が確固たるものであるということがわかるが、今後の課題としては、国内でのさらなる需要の開拓ということがあげられる。
現在、京人形と呼ばれるものには、雛人形をはじめ、五月人形、浮世人形、風俗人形、御所人形、市松人形などがある。とりわけ節句人形は、常に生産が需要に追いつかないという状態で、京人形に対する強い人気を物語っている。しかし、それに止まることなく、伝統工芸展などにも積極的に出品、工芸品としての価値を高め、維持すべく努力を続けている。

布目切り
入嵌
色つけ(漆焼き)
仕上げ彫り
京都府象嵌振興会
| 所在地 | 〒607-8222 京都市山科区勧修寺東堂田町261 栗山象嵌内 |
|---|---|
| TEL | 075-593-1600 |
| FAX | 075-502-2545 |
| 理事長 | 栗山 始久 |
| 設立 | 昭和25年5月1日 |
| 会員数 | 7名 |
| 事業内容 | 1.春の新作発表会開催(みやこメッセ) 2.研修会開催 3.展示・販売会の開催 |
| 概況 | 本会は、発足以来、展示・販売会の開催、各種研修会の開催や伝統技術による新製品開発商品の宣伝販売等の事業を通じ、常に業界の振興・発展に努めている。 |
京都美術象嵌組合
| 所在地 | 〒602-8354 京都市上京区下立売通七本松西入西東町370番地 |
|---|---|
| TEL | 075-811-8040 |
| FAX | 075-811-8040 |
| 理事長 | 富田 光夫 |
| 設立 | 昭和35年4月1日 |
| 役員構成 | 理事7名 監事1名 |
| 会員数 | 14名 |
| 事業内容 | 1.展示会等の開催並びに出展 2.研修会の実施並びに参加 3.相互扶助による福祉事業 4.体験コーナーに力を入れている |
| 概況 | 1.鉄生地にタガネを用いて布目状に溝を刻む。 2.其の上に純金純銀等の線や平金で模様を象(かたどり)乍ら 嵌入(はめこむ)する 生地の表面を処理し漆焼を数回繰返す。 3.模様を研ぎ出し、毛彫りして仕上げる。 |

